この記事は日経ビジネス電子版に『「中興の祖」ランキング』(2021年12月29日、22年1月17~21日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』1月24日号に掲載するものです

理想をいえば、企業の経営は右肩上がりが望ましいが、浮き沈みがあるのが現実だ。むしろ逆風に見舞われたときにこそ、その企業と経営者の真価が問われるともいえる。難局を乗り越えて再び企業を成長軌道に乗せた人物が中興の祖とたたえられるのは、人々がその経営者の優れた才覚を認めた証しだ。
コマツの坂根正弘氏はその典型例といえる。IT(情報技術)バブル崩壊の余波で史上初の赤字に直面する中で社長に就任し、日本企業の中でいち早くデジタルトランスフォーメーション(DX)を果たした。
危機こそ改革のチャンス
経営危機は、構造改革を受け入れる機運が高まっているという意味ではチャンスでもある。従来の構造にメスを入れるには、課題意識が何よりも大切だ。そのため、主流派とは違った視点を持つ傍流出身が中興を成し遂げるケースも多い。創業家の三男で入社以来一貫して冷や飯食いだった武田薬品工業の武田国男氏、主力の空調部門ではなく人事総務畑を歩んだダイキン工業の井上礼之氏らがそうだろう。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1605文字 / 全文2138文字
-
「おすすめ」月額プランは初月無料
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員なら
人気コラム、特集…すべての記事が読み放題
ウェビナー日経ビジネスLIVEにも参加し放題
バックナンバー11年分が読み放題
この記事はシリーズ「「失われた30年」に輝いた 中興の祖ランキング」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?