利便性を高めるはずのビッグデータは、カネを生む手段に変わり、人々の分断を生んだ。警戒心こそ強い日本人だが、権力を持ち始めたビッグテックを前に思考停止に陥る。今こそ消費者と行政が一体となってデータ経済のあり方を見つめ直す必要がある。

<span class="fontBold">2020年7月、米下院はGAFAのCEO(当時)を公聴会に招き、寡占の実態に切り込もうとした(左上)グーグルのスンダー・ピチャイ氏、(右上)アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス氏、(左下)アップルのティム・クック氏、(右下)フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏)</span>(写真=4点:ユニフォトプレス)
2020年7月、米下院はGAFAのCEO(当時)を公聴会に招き、寡占の実態に切り込もうとした(左上)グーグルのスンダー・ピチャイ氏、(右上)アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス氏、(左下)アップルのティム・クック氏、(右下)フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏)(写真=4点:ユニフォトプレス)

 突然だが、手元のスマートフォンやパソコンで米アマゾン・ドット・コムのトップページを開いてほしい。記者Tが開くと、「あなたのお買い物傾向から」という欄で「サケとば」をお薦めされる。アマゾンでサケとばを買ったことはないが、日本酒は買ったことがある。「酒好き」と判断され、好みそうなつまみを提示されているようだ。読者の皆さんの画面にはどんな商品が並ぶだろうか。

 アマゾンは利用者が欲しい商品に素早くたどり着けるよう、様々なデータを分析して推奨する。米フェイスブックでは、フォローする人や組織が発信する情報がニュースフィードを埋め尽くす。米グーグルが示す検索結果も、利用者や場所に応じて変わってくる。

 我々はいつしか自分が心地よいと感じる情報に包まれるようになった。

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