自分のスマホしか見られない顧客は、画面に表示されている価格が適正かどうかを客観的に比較判断できない。一方でプラットフォーム企業は価格決定権を持つ。この情報格差を悪用し、電子商取引(EC)や出前、配車など様々な分野で「殺熟」が横行しているとささやかれていた。

 報告書を重く見た当局はすぐさま滴滴の担当者を呼びつけて指導し、滴滴は謝罪に追い込まれた。素早い動きの背景には、当時、米国上場を計画していた滴滴に対する警告という意味合いもあったようだ。

 中国では地図データは国家安全に関わる情報と見なされている。地図アプリ上で名称が表示されず、はた目には普通の建物が実は軍関連の施設で撮影禁止だったなどという話は珍しくない。滴滴などの配車サービス事業者は個人の日常の移動履歴、支払い状況など膨大なデータを保有しており、分析すれば簡単に機密情報を見つけ出すことができる。

警告無視して上場強行

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2519文字 / 全文4036文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「私の知らないネット上のワタシ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。