この記事は日経ビジネス電子版に『飲み薬に病床3割増、後藤厚労相が語るコロナ第6波対策の核心』(12月2日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月6日号に掲載するものです。
新型コロナ第6波対策は、第5波で分かった課題を乗り越えるためという。確保した病床を必ず稼働させる病院との契約など具体策にも踏み込む。国の医療ガバナンスを強化する法改正は検討段階。慎重な動きだ。
![<span class="fontBold">後藤茂之[ごとう・しげゆき]</span><br>1980年3月東京大学法学部卒業。同4月大蔵省(現・財務省)入省。主税畑を歩み、93年4月主税局企画調整室長。2000年6月に衆院議員初当選。自民党政務調査会厚生労働部会長などを経て12年12月に法務副大臣。党新型コロナウイルス感染症対策本部座長などを務め、21年10月に厚生労働大臣就任。(写真=大下 美紀)](https://cdn-business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00964/p1.jpg?__scale=w:500,h:375&_sh=0904107e07)
1980年3月東京大学法学部卒業。同4月大蔵省(現・財務省)入省。主税畑を歩み、93年4月主税局企画調整室長。2000年6月に衆院議員初当選。自民党政務調査会厚生労働部会長などを経て12年12月に法務副大臣。党新型コロナウイルス感染症対策本部座長などを務め、21年10月に厚生労働大臣就任。(写真=大下 美紀)
政府は第6波に備えた「取組の全体像」を11月に決めました。コロナ病床を第5波のピーク時の入院数より3割多い3.7万人分とし、ワクチンの3回目接種、治療薬の確保などを実現するとしています。この内容にした狙いは何ですか。
病床についていえば、第5波に比べて実質2倍の感染拡大が生じた場合でも対応できるだけの数を確保しようということです。感染が大きく拡大した第5波では最大時に約2.8万人の入院が必要になりました。第6波に向けて、患者が約3割増えても入院できる体制を確保します。
第5波を振り返ると、(感染拡大のひどい地域では)病床の数自体が足りなかった。また感染者数が急増した結果、患者が陽性だと判明した後に、保健所による健康観察や治療が迅速、確実に実施されないといった状況も一部起きた。ひどい場合には亡くなってしまう方も出るという非常に由々しき事態が発生しました。こうしたことは何としても乗り越えなければいけない課題だということで、病床増やワクチンの3回目接種、治療薬確保など幅広い第6波対策となったのです。
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