アップル、MSも受け入れ

 同じ頃、米国でも存在感が高まる出来事が相次いで起きた。アイカーン氏らは13年、米アップルに株主還元を求め、自社株買いを促した。米マイクロソフト(MS)は当時有名ではなかった米バリューアクト・キャピタルから取締役を受け入れた。

アクティビストは企業経営者と激しい攻防を繰り返してきた
●国内外の企業とアクティビストの主な「対話」事例
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(写真=上から:時事、Apple Inc./AFP/アフロ、AP/アフロ、東洋経済/アフロ、つのだよしお/アフロ)
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 動かす資金量も膨らんでいった。米投資銀行ラザードによると、21年のバリューアクトの資産運用残高は130億ドル(約1兆4500億円)でサード・ポイントは260億ドル、最大手の米エリオット・マネジメントは480億ドルにも及ぶ。

 アクティビストが機関投資家から多額の資金を集められるようになったのは、投資先との交渉手法が巧妙化してきたためだ。株主還元のみを強硬に求めず、ガバナンスの強化や資本効率を高めるための事業再編などを主張。大手機関投資家も相乗りしやすくなった。

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