この記事は日経ビジネス電子版に『最近「ゆるブラック」増えてない?覆面エージェント3人が語る』(11月2日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』11月15日号に掲載するものです
長時間労働などを是正し、誰もが生き生きと働ける職場環境を整備する──。そんな働き方改革が進んだはずの日本企業で、多くの若手社員がやりがいを喪失している。その原因は、働き方改革そのものにあるとの指摘が上がる。

本日は、若手人材の転職状況に詳しい3人の人材紹介エージェントの方にお集まりいただきました。働き方改革の開始から約5年が経過し、多くの企業で「働きやすい環境」の整備が大きく進んだと思われます。若手人材の定着率やモチベーションにも好影響はありますか。
エージェントA(以下、A):働き方改革を通じて、残業時間を抑える、有給を消化するという労働関連法を重視する動きが大手中心に進んだのは事実です。ですが、そうやって働きやすくなったはずの大手から、このところ、若い求職者が増えつつあります。
せっかく働きやすくなったのに、辞める人がむしろ増えている、と。
増える「やりがいのない職場」
A:彼らに共通するのは、「今の職場はやりがいがない」あるいは「今のままでは自分が成長しない」といった疑問を感じ始めていることです。
変化が激しい中、製造業など「ここに入れば一生安泰だ」といわれていた企業ですら業績が悪化し、リストラを始めたりしている。人工知能(AI)が台頭し、ほとんどの仕事が機械化されるともいわれている。そんな状況で、有能な若手人材の多くは、「これから先の時代は、強いやりがいを持って仕事に取り組み、成長しないと生き残れない」という危機感を持っているんです。
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