この記事は日経ビジネス電子版に『再エネ先進国から転落した日本、「できない理由」探し続けた』(10月27日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』11月1日号に掲載するものです。

世界トップの太陽光、重電大手が挑んだ風力──。往時の姿は日本にない。競争力強化に不可欠な国内市場創出に失敗し、世界に後れを取った。失敗の本質は、世界の潮流を見失った官民の「内向き志向」にある。

<span class="fontBold">次世代浮体式洋上風力の実証施設「ひびき」</span>
次世代浮体式洋上風力の実証施設「ひびき」

 関門海峡の西方、北九州市の沖合に広がる響灘(ひびきなだ)を船で進むと、洋上に巨大な“竹とんぼ”が見えてくる。次世代浮体式洋上風力の実証施設「ひびき」だ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトで、2019年5月に運転を開始した。

 日本には着床式洋上風力に適した水深50m未満の遠浅の海が少ない。そこで水深50~100mでも設置できる低コストの浮体式を開発しようと、ひびきプロジェクトは始まった。軽量簡素にするため、風車は主流の3枚羽ではなく2枚羽を採用。約50m四方の浮体は組み上げた状態でえい航しやすいよう喫水を浅く設定。海中の送電ケーブルに付着する生物をロボットで除去するなど、コスト低減に向けた様々な挑戦をしている。

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