脱炭素市場。それは成長が約束された市場だ。世界各国は温暖化ガス排出量の削減義務を負い、再生可能エネルギーやEVの産業振興を成長の起爆剤にする。変化を先取りした欧州企業は、「脱炭素の巨人」に生まれ変わった。かつて市場を席巻した日本勢は、復活できるのか。COP26(第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議)開幕を機に、脱炭素市場における勝者の条件を探る。

(写真)デンマークのオーステッドが、2018年に英国沖で稼働させた世界最大級の洋上風力発電所。その後も、発電所の巨大化は進展している

(ロンドン支局 大西 孝弘、吉岡 陽、中山 玲子)

CONTENTS

PART1
伸びる脱炭素市場、波に乗れず
上位から続々転落 日本の退潮鮮明

PART2
オールドエコノミーが大変身
新エネの巨人が誕生 欧州勢、逆転の軌跡

PART3
「先進国」から転げ落ちた10年
「できない理由」を探し続けた日本

PART4
日本復活のキーマンたち
任せろ起死回生 新技術で世界へ

PART5
日立改革に見る日本の活路
5つの旧弊捨て表舞台に返り咲け

日経ビジネス2021年11月1日号 12~13ページより目次