これが本当なら脆弱な産業基盤が不正の温床になっていた可能性がある。KYBや三菱電機など、90年代以降の防衛省への水増し請求は20社以上に上る。不正ではないが最近では三菱電機が航空自衛隊のシミュレーションシステムの調査研究の競争入札を77円で落札し「他の業者の圧迫につながる」と批判を受けるなど、異常事態もつきまとう。

 防衛産業の窮状に、防衛装備庁も改革に動き出した。2020年度から、各年度で同じ量を契約している装備品については、翌年度価格が下がった場合、値下げ分の8割を企業の利益として上乗せする制度を導入した。装備品の調達価格が下がるだけでなく、企業側も自助努力の成果を受け取ることができる。

 また、メーカーによる研究開発では、契約額よりコストが膨らんでも上昇分の5~8%は防衛省が補塡する仕組みも取り入れた。20年度から、三菱重工が主契約者の次期戦闘機「F-X(F-3)」や、川崎重工業が手掛ける電子戦航空機などに適用されている。

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