自動運転技術の検証に活用

 多様な自動車が止まる時間貸し駐車場。時が進むと周囲は薄暗くなり、雨粒が落ち始めた。雨上がりのアスファルトの地面には所々水たまりが──。デンソーが模索するのは、自動ブレーキなどの先進運転支援システムや自動運転技術をゲームエンジンで検証することだ。「安心安全というクルマ造りの原則は不変だが、ゲームを使った効率化の余地はあるはずだ」とAD&ADASシステム開発部の小口貴弘氏は話す。

 自動運転技術の検証には、徹底した公道走行を通じた評価が不可欠とされる。ただ、安全性が確立されていない技術を実社会で検証するのはリスクが高い。そこで着目したのがゲーム技術だった。仮想環境で検証を繰り返した後に実車で試験すれば、安全性を高めつつ必要な時間や人手を削減できる。

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この記事はシリーズ「日本勢は「ガラゲー」か? ゲーム進化論」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。