福岡市:スタートアップの力で都市生活を向上

<span class="fontBold">3期目を務める福岡市の高島宗一郎市長</span>(写真=松隈 直樹)
3期目を務める福岡市の高島宗一郎市長(写真=松隈 直樹)

 「データドリブンではなく『住民ドリブン』でやっていきたい」──。福岡市の高島宗一郎市長が推進するのは、民間企業の実証実験を中心にした街づくり。2014年に指定された「グローバル創業・雇用創出」をテーマとする国家戦略特区の規制緩和をフル活用している。

 福岡市は「スタートアップの街」を標榜する。彼らの活力を街づくりにも生かそうと、16年から「福岡市実証実験フルサポート事業」(フルサポ)をスタートした。

 住民が抱える個別の課題の解決は、行政の手には余ることもしばしば。そこで、技術を持つ民間企業、とりわけ小さな課題にも目配りできるスタートアップに着目したわけだ。市内で実証実験を進めたいスタートアップを募集し、関係者調整や行政データ提供、規制緩和などで支援してきた。

 実証実験に取り組む1社が電動キックボードのスタートアップ、mobby ride(モビーライド、福岡市)。中心部はコンパクトで交通の便が良い福岡市だが、バス路線が通っていないような場所では目的地まで15分ほど歩くことも少なくない。こうしたラストワンマイルを電動キックボードのシェアリングによって解決したいという思いから、フルサポ事業に手を挙げた。

FUKUOKA
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市中心部の「Fukuoka Growth Next」にはスタートアップが入居する。街づくりや都市サービスに関わる企業も多い(写真=松隈 直樹)
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 空き物件の時間貸しサービスを手掛けるtsumug(ツムグ、福岡市)はフルサポ事業の1期生だ。市の担当者と連携しながら、現在も街づくり活動に積極的に携わっている。牧田恵里代表は「行政の担当者がここまで理解してくれることは珍しい。もともと東京で事業をしていたが、福岡に本社を移し、引っ越してきた」と話す。

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