今や米国だけを見ていてもスタートアップ生態系の全体像は見えてこない。数々のテックジャイアントを生み出してきた中国では、急激に政府の統制が入り始めた。異なるダイナミズムで変化し続ける米中。日本企業はどのように向き合えばいいのか。

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バブルが終わり選別が進み始めた
●中国の主なスタートアップ投資の件数と金額
<span class="fontSizeM">バブルが終わり選別が進み始めた</span><br />●中国の主なスタートアップ投資の件数と金額
出所:IT桔子のデータを基に匠新が集計
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地方都市の比率が上昇
●スタートアップ投資件数の都市別シェア推移
<span class="fontSizeM">地方都市の比率が上昇</span><br />●スタートアップ投資件数の都市別シェア推移
出所:IT桔子のデータを基に匠新が集計

 「大衆創業、万衆創新(大衆の創業、万人のイノベーション)」──。中国の李克強首相が天津で開かれた世界経済フォーラム主催の夏季ダボス会議でイノベーションを奨励したのは2014年のこと。同年に1767億8800万元(約3兆円)だった中国のスタートアップ投資の市場規模はピークの18年には8783億2200万元に膨れ上がった。

 ただ、米ナスダック市場上場後、売り上げの水増しが判明して上場廃止に追い込まれた「瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)」、70社以上が参入したシェア自転車各社など、事業売却や経営破綻に追い込まれた例は後を絶たない。

 19年10月に官民トップが集まり開催された「中関村フォーラム」は象徴的だった。中関村は中国理工系トップの清華大学や北京大学のすぐそばに位置し有力スタートアップが集積する。習近平国家主席が祝辞を寄せた同イベントのキーワードの一つは「耐心資本」。10~15年程度でリターンを狙う長期投資を意味する。政府も目先の利益を追うスタートアップ投資の過熱を警戒していた。

 コロナ禍の影響を受けた20年は投資件数こそ前年に続いて減少したが、金額ベースで再び増加に転じている。「以前は投資家が大量の案件に幅広く投資していたが、優良案件を選別し、まとまった金額を投資しようとする傾向が鮮明になってきた」と日中のスタートアップ支援を行う匠新の田中年一CEO(最高経営責任者)は分析する。21年は他国に先んじてコロナを抑え込んだ効果もあり、投資件数・金額ともに前年超えとなる公算が大きい。

続きを読む 2/4 半導体、ロボットへの投資急増

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