何が「良い社風」かは企業や働く人によってそれぞれ異なる。何よりも重要なのは、現場が理解して実行できるか否かだ。力を発揮するためには、戦略と社風を結びつける必要がある。

 「目指すのはプロスポーツ選手のようなマインド。全員が『勝つ』という目的以外ない、そんな組織を目標にしている」。スマホ決済事業を手掛けるpring(プリン、東京・港)の荻原充彦CEO(最高経営責任者)は、自社の社風についてこう話す。

<span class="fontBold">プリンの荻原充彦CEOは「組織として参考にしているのは米ネットフリックス」という</span>
プリンの荻原充彦CEOは「組織として参考にしているのは米ネットフリックス」という

 プリンは2017年に設立されたスタートアップだ。社員数はわずか12人と規模は小さいながらも、「個人ユーザーは送金や出金にかかる手数料は一切無料」といった独自戦略を売りに、群雄割拠のキャッシュレス市場の中でも存在感を強めてきた。今年7月には、米グーグルが日本での金融事業参入の足掛かりとして同社を買収したことも話題を呼んだ。

 サービス以上にユニークなのが、その企業文化だ。全員参加の飲み会や社内レクリエーションなどは一切なく、仕事場もバラバラ。社員同士が家族のように結びつき、大手企業にはない「一体感」を成長の武器とするスタートアップも多い中、プリンは究極の個人主義を貫いている。

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この記事はシリーズ「良い社風、悪い社風 不祥事の根源か、改革の妙薬か」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。