この記事は日経ビジネス電子版に『事業を“デッサン” コンサルも自治体も美大生にラブコール』『「プランA」をやり抜く 行動力で群抜く防衛大』『企業は入学時の偏差値より「学習歴」を見よ 昭和女子大・坂東氏』(7月29~30日、8月4日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』8月9日号に掲載するものです。
社会が求めるスキルを身に付けているという特徴は、高専出身者だけのものではない。デジタル時代に即したサービスをデザインできる思考を持った美大出身者。さらに練習や鍛錬を武器に「やり切る力」を持つ音大、防衛大出身者と、意外な即戦力がいる。



コンサルティング大手のアクセンチュアは、東京大学の学生にとって人気の就職先だ。就職口コミサイト、オープンワークの「2022卒東大生が選ぶ、就職注目企業ランキング」で2位となっている。
だが、アクセンチュアに注目しているのは高学歴の学生だけではない。
同社は2020年春、デジタルマーケティングを担うインタラクティブ本部を新設した。企業が商品・サービスを提供するときの消費者との接点構築が主な事業領域になる。
同本部の中心的役割を担うのはデザイナーだ。コンサルタントやIT(情報技術)エンジニアと一緒になって、顧客企業の課題解決を目指す。同本部の佐藤守シニア・マネジャーは、デザイナーに求めることをこう説明する。
「人々が気づかない価値や課題に気づくこと。それをカタチにしたり、解決したりすること。そんな力を持った人材を求めている」。背景にあるのは「顧客体験をより豊かにする新事業のコンセプトを練ったり、新ブランドを創ったりするなど、消費者の心をつかむサービスをデザインする必要性が高まっている」ということだ。
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