「国家に頼らない」に共感

 最も古い仮想通貨であるビットコインの起源は08年10月に遡る。「サトシ・ナカモト」と名乗る人物が投稿した「A Peer-to-Peer Electronic Cash System(ピア・ツー・ピアの電子通貨システム)」という論文だ。情報を1カ所ではなく分散して持ち合うことで、国家や銀行を介することなく個人間で送金できる仕組みを構築できるという構想だった。この論文を基に最初のビットコインが09年に生まれ、売買するための取引所ができていった。この論文が示した基盤技術は「ブロックチェーン」と呼ばれるようになる。

 誕生から3~4年の仮想通貨業界は、独特な空気が流れていた。「無政府主義者とまではいわないが、権力を信じていない人が『国家に頼らない通貨だ』と評価して投資していた」。こう証言するのは、グラコネ(東京・渋谷)の藤本真衣代表。11年からビットコインに関わってきた藤本氏は、その魅力を伝えようと自ら「ミスビットコイン」と名乗って活動してきた。自身も銀行をはじめとする既存の金融機関に反発心を抱いていたという。「ブロックチェーン上に取引が分散して記録されている」という客観性が、権力の介入を嫌う人々の琴線に触れたのだ。

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この記事はシリーズ「ビットコイン狂騒曲 お金持ちしか稼げない?」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。