訪れた者を出迎えるのは「こいびとみさき」と書かれた駅の標識風看板。行き先に「けっこん」とある。「手をつなぐみち」をくだり展望デッキに向かうと現れるのは、福太郎とおよねの鐘をモチーフにした「愛の鐘」。相手の名を口にしながら3回鳴らすと願いが成就するという設定だ。売店では特製の「恋人宣言証明書」も発行してもらえる。

 こうした“恋人たちの聖地”系観光施設の集客に重要なのは「コロナ禍の外出制限緩和」ではない。むしろ影響を及ぼすのは、「恋愛中の人」の数。当然と言えば当然だが、コロナ禍がどうあろうと恋人たちがいなければ“恋人たちの聖地”に人は集まらないのだ。

 では、日本の恋愛人口は今、どんな状況にあるのか。「ただでさえ人口減少が進んでいる中、人と人との接触が制限されるコロナ禍とあっては、社会全体の恋愛人口も増えにくい」。「パラサイト・シングル」などの言葉を生み出してきた社会学者、中央大学の山田昌弘教授はこう指摘する。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り4639文字 / 全文6295文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「無子化社会 「恋愛停止国家」の未来」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。