オフィスに集まるべきか、ネットでつながればいいのか──。最適解は難しい。解答を出せなかった乃村工藝社は、オフィスを「楽しみで集まるところ」と定義。業務内容や経営方針でテレワーク利用法は変わる。働き方を考える機会にしたい。

オフィスから博物館まで、幅広い場面の空間をプロデュースする乃村工藝社のメンバーは頭を抱えていた。取り組んでいるテーマは「新しい働き方に合った自社オフィスの改修計画」。百戦錬磨のプロフェッショナル集団が、自分たちの職場づくりに答えを出せなくなってしまったのだ。テレワーク対応により大半の業務がオンラインでこなせる今、「職場はどうあるべきか」。その解が出てこなかった。
改修計画の全体監修を担当したプランニング統括部プランナーの乃村隆介氏は「5年先が見えない時代になった。だからこそどんな環境変化にも対応できるように『あえて答えを出さない』空間を考えた」と言う。

乃村工藝社がこの4月にお披露目した新オフィスは社員の行動変容を促す「実験場」となった。出社率が下がればオフィスには余剰スペースができる。乃村氏はこのスペースを1つのフロアに集約して“公園”をつくった。「公園は面白い場所だから自発的に人が集まる。会社にも公園のような空間が必要だった」(乃村氏)。この社内公園「ユニークパーク」は社員が使い方を決めていい。打ち合わせもよし、食事もよし。コロナ対策で開始は見合わせているが、自動販売機で日本酒まで販売している。
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