新型コロナウイルスの感染は第4波を迎えている。高齢者のワクチン接種が始まったが、進行は遅く、一方で変異株が本格的に広がる。今のままでは第4波で終わらない。第5波、そしてその次の懸念も拭えない。日本は病床数も病院数も欧米より多く、医療資源は厚いはずだ。それなのに、医療の逼迫が再び現実のものになりかねない。米欧に次ぐ創薬国といわれながら、コロナワクチンの開発でも世界から周回遅れとなった。医療の構造改革が必要だ。今を逃せば、将来の日本を救う道が閉ざされてしまう。(写真=Jesada Wongsa/EyeEm/Getty Images)

(編集委員 田村 賢司、中山 玲子、小原 擁)

CONTENTS

PROLOGUE
ワクチン接種「先進国」の遠い背中、第4波も避けられず

PART1
日の丸ワクチン停滞、安全保障の視点乏しく

PART2
COCOA失敗の意味とは、IT転換促す奇貨に

PART3
病院はなぜ逼迫するのか、柔軟性上げる改革を

日経ビジネス2021年4月26日号 24~25ページより目次