この記事は日経ビジネス電子版に『動き始めたバイデノミクス 日本企業に「カミカゼ」吹くか』(4月13日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』4月19日号に掲載するものです

バイデン米政権の最初の関門は、いかに共和党を巻き込んでインフラ投資計画を押し通せるか。閣僚人事や投資計画の内容から浮かび上がるのは、明確な環境への傾倒と脱中国の方針だ。米国市場に生まれる新市場と既存市場の「空白」は日本企業の商機にもなり得る。

 バイデン米大統領が米国内にくすぶる社会不安を打破するには、新型コロナウイルスの影響で停滞した経済の立て直しが先決だ。当初、ほとんど公の場に姿を見せなかったバイデン氏は、就任50日が経過した頃から表舞台に出てきて強気の発言や行動が目立つようになった。ワシントンで渉外を担当する日系企業幹部は「柔和なイメージが変わった」と話す。

 最初の成果は3月10日、上院を通過していた1兆9000億ドル(約209兆円)規模の新型コロナ対策を下院で通過させ、翌11日に自ら署名して成立させたことだ。12日から1人当たり最大1400ドルの給付金をばらまき、失業者には州政府による給付金に加えて連邦政府からも週300ドルを出すことも始めた。

 ワクチン普及のための施設や人材などの予算も確保。いずれもトランプ政権でも実施された内容ではあるが、「そのスピード感には度肝を抜かれた」とある在米日本人投資家は話す。

 だが正念場はこれからだ。新型コロナ対策が経済復活のための「応急措置」なら、3月31日に詳細を発表したインフラ投資計画は「本格治療」に当たる。前者の1兆9000億ドルに加え、後者は計画通りなら2兆2500億ドルに上り、財源確保が急務だ。

 3月末に発表した企業増税案には早くも共和党議員から反対の声が上がる。いかに柔軟な姿勢で交渉を重ねながら法案を通過させるかにバイデン政権の真価が問われている。

 米国市場を相手にする日本企業にとって気になるのは、大型投資が自社のビジネスにどんな影響を与えるかだろう。業界関係者や識者の予測をベースに、主要閣僚メンバーの存在も踏まえながら、企業を待ち受ける環境の変化を予測していく。

バイデン氏の右腕は “コワモテ”ぞろい
●企業の政策でカギを握る政権内の重要人物
<span class="fontSizeL">バイデン氏の右腕は “コワモテ”ぞろい</span><br />●企業の政策でカギを握る政権内の重要人物
(写真=左・右:AFP/アフロ、中:AP/アフロ)
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(写真=左:代表撮影/ロイター/アフロ、右:AP/アフロ)
(写真=左:代表撮影/ロイター/アフロ、右:AP/アフロ)
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