この記事は日経ビジネス電子版に『ジャック・マーは二度消える EC・決済だけじゃないアリババ経済圏』(3月23日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』4月5日号に掲載するものです。

アリババ集団が苦難に直面している。政府による追及が続いているためだ。創業者が再び表舞台から姿を消す現状は、中国経済における同社の存在の大きさを示している。

習近平国家主席は民間企業への統制を強めている(写真=新華社/アフロ)

 「馬雲(ジャック・マー)氏はどこにいるのか」。アリババ集団創業者を巡る、この話題が再び世間をにぎわすようになってきた。

 アリババ集団傘下の金融会社、アント・グループは昨年11月、新規株式公開(IPO)の直前で当局の横やりにより上場延期に追い込まれた。「良いイノベーションは監督を恐れない。しかし、古い方式の監督は恐れる」。マー氏が昨年10月末のイベントで発した政府批判と取れる言葉が、習近平国家主席の逆鱗(げきりん)に触れたとされる。

 それから約3カ月にわたって雲隠れしたマー氏は今年1月末、慈善活動を目的とした教育イベントにオンラインで参加した。2月5日に総額50億ドルの社債発行を控えたタイミングでのマー氏の登場は投資家に安心感を与え社債売り出しは上首尾に終わったが、それからマー氏の消息は再び途絶え、すでに2カ月近くがたつ。

 その間、米ブルームバーグは関係者の話として「海南島でゴルフをしていたようだ」と伝えたが真偽は確認できていない。英フィナンシャル・タイムズはマー氏のプライベートジェット機の移動記録を入手したと報じ、国内を移動しているようだと伝えている。浙江省杭州市にあるアリババ本社で働く従業員は「ここしばらく顔を見せていないようだ」と語る。杭州市にあるマー氏がオーナーの一人であるバーの店員も「最近のことはよく分からない」と首をすくめた。

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