出前館、「戦国時代はまだ続く」

 出前館の藤井英雄社長CEO(最高経営責任者)は「コロナ禍で想定の倍以上のスピードで利用が広がっている。今は戦国時代。陣取り合戦は1~2年は続く」として、マーケティング投資を積極化する。フードデリバリーはいかに陣地を押さえるかが勝負の分かれ目になる。

 先行する米国では「ドアダッシュ」がシェアトップとされるが、ロサンゼルスやニューヨークなど、地域によってトップの顔ぶれは変わるという。エリア内で飲食店などの加盟店とユーザー、そして配送ドライバーをいかに早く押さえて囲い込むか。クーポンを大盤振る舞いして利用を促進する激しい競争を前に、ドコモは自社でのサービス展開を断念した形だ。

 成長期待が高い市場にもかかわらず撤退する事例はほかにもある。とりわけ、新たなサービスが多く誕生する米国では早い段階で見切りをつける例が少なくない。

米国では成長期待分野で撤退相次ぐ
●撤退を表明する主な企業とサービス
<span class="fontSizeM">米国では成長期待分野で撤退相次ぐ</span><br> 	<span class="fontSizeS">●撤退を表明する主な企業とサービス</span>
[画像のクリックで拡大表示]

 自動車産業の勢力図を変える可能性もある自動運転の分野では、米ウーバーテクノロジーズが自社の技術開発から撤退を表明。米グーグルは、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」向け基本ソフト(OS)「Android Things」の開発と提供を22年1月で終了することを開発者に向けて公表している。

 今後の成長期待が高い産業やサービスで撤退が相次ぐ背景には何があるのか。別の事業にリソースを集中したいなど、個別企業の事情もあるだろう。だが、それでも長期的に「うまみ」がある領域であれば、撤退はしないはずだ。

 成長領域に多くのプレーヤーが参入し、競争激化によって得られるリターンが減る。もしくは投資回収期間の長期化を嫌って撤退する動きもありそうだ。IT(情報技術)先進国の米国で相次ぐ撤退の波は、日本にも押し寄せてくる可能性がある。

 成長すると見込まれた市場の賞味期限はなぜこうも早く切れてしまうのか。大きく3つの理由が考えられる。デジタル産業と電子機器受託製造サービス(EMS)の興隆、そして企業の「横並び」意識の強まりだ。

ネトフリ、会員2億人でも危機感

 デジタルシフトが進み、ネットサービスが成長領域のけん引役となっている。ソフトウエア開発が主体で、製造業と違って参入に際して工場の新設やサプライチェーンの構築といった手間がかからない。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り2419文字 / 全文4454文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「レッドオーシャンで勝つ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。