こうした潮流に対し、JAXAを頂点にした「ピラミッド構造」である日本の宇宙産業は、「激しい環境変化で、技術面を含めて欧米に後れを取り始めている」(政府の第4次宇宙基本計画)。

 日本の宇宙関連予算は年3000億円規模で米国の10分の1程度。国家予算の大幅な膨張が期待できない以上、NASAのようにスタートアップに仕事を発注し、民需拡大のきっかけにすることが不可欠だ。だが「JAXAの衛星は成功を優先して方法を変えずに同じことを繰り返し、停滞していた」(東京大学大学院の中須賀真一教授)。00年前後に相次いだ打ち上げ失敗を受けた「血税批判」で宇宙業界全体が停滞期に入ったことも災いした。実績重視が加速し、スタートアップの参入が難しい閉鎖された環境が、新たな需要創出を阻んだ。

 こうした状況を打開しようという動きが15年ごろに出始めた。政府が宇宙の民間利用を拡大する方針を強調し、16年に人工衛星やロケットの打ち上げ、管理に関する許可制度などを定めた「宇宙活動法」が成立した。

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この記事はシリーズ「ベゾスvsマスク ついに来た宇宙経済ビッグバン」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。