2050年までのカーボンニュートラルは、環境問題にとどまらず産業政策のあり方に関わる問題だ。民間企業や研究機関を巻き込んだ仕組みを構築するため、国は「ジョイント部分」になると言う。産業の土台を強固にするグリーン政策のあり方について、聞いた。

(聞き手は 本誌編集長 東 昌樹)

梶山弘志[かじやま・ひろし]
1955年生まれ。79年日本大学法学部卒業後、動力炉核燃料開発事業団(現日本原子力研究開発機構)に入社。85年に退社。2000年衆議院議員に初当選し17年までに7回の当選を果たす。12年国土交通副大臣、17年内閣府特命担当大臣(地方創生、規制改革)を務める。19年10月から現職。父は法務大臣、内閣官房長官などの要職を務め、菅義偉総理が「政治の師」と仰ぐ政治家、梶山静六氏。(写真=陶山 勉)

菅義偉首相は10月26日の所信表明演説で、2050年までに温暖化ガスの排出量を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を表明しました。なぜこのタイミングだったのでしょうか。

 今や気候変動問題への取り組みが環境問題だけでなく、産業政策にも関わる事柄になりつつあるからです。

 日本の産業はかなりの部分が輸出で占められています。国際社会では、輸出製品をつくる製造業、すなわちものづくりの過程で使用する電気の二酸化炭素(CO2)をどうするかといったことも含めて議論が進んでいます。

 当然、日本もこうした動きに加わっていく必要があるでしょう。今後の経済発展を考えると、今しかないということだったと思います。

 経済産業省としても、いろいろな業界団体や企業の経営者と対話を重ねてきました。皆、気候変動問題という課題は認識していても、国がしっかり後押ししてくれないとなかなか動けないという反応でした。国と企業の方向性は一致していると感じています。

 こうした動きと、これまでの安倍晋三政権下で検討してきた、パリ協定を意識したエネルギー政策、産業政策のあり方などの土台が合わさって10月26日の菅総理の宣言につながっていると私は考えています。

経済産業省が2020年12月に公表した脱炭素社会の産業イメージ(画像=経済産業省WEBサイト)
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