日本経済に大打撃を与えた東日本大震災から10年。この10年は被災地の復興のみならず、震災で顕在化した「日本の矛盾」を是正する時間でもあった。原発に依存したエネルギー政策、首都圏に偏った産業分布、地域の極端な高齢化、自己決定権に乏しい地方行政、遠隔地の貧困な医療・防災体制……。いずれも日本人が昭和の時代から認識していながら先送りしてきた課題ばかり。被災地の惨状を前に多くの国民はこう決意したはずだ。今度こそ改革しなければ、と。あれから10年。この国が変われぬ真の理由を追究する。
(小原 擁、神田 啓晴、山田 宏逸、緒方 竹虎)