この記事は日経ビジネス電子版に『「電池の父」が語る、アップルEVの衝撃と電池の行く末』(1月27日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』2月8日号に掲載するものです。

勢力図が大きく変わろうとする中、日本の電池産業は競争力を保てるのか。2019年にノーベル化学賞を受賞した「リチウムイオン電池の父」に聞いた。

Akira Yoshino
1972年京都大学大学院を修了し旭化成入社。80年代に手掛けた「導電性高分子」の研究がのちの電池材料の開発につながる。2017年に旭化成名誉フェローに就任。19年、ノーベル化学賞受賞。

 電池産業には2025年に分岐点がやってくると見ている。IT革命では、高速通信などの新しい技術がそろって電池の市場が立ち上がるまで15年を要した。「ET(Energy & Environment Technology)革命でも同じ図式だろう。10年に日産自動車の「リーフ」が発売されてから15年間の準備期間を考えたら、25年が勝負どころとなる。

 もう一つ、25年以降は自動運転の世界が現実のものになってくることもある。無人運転では人工知能(AI)がルートを判断し、自動で人を運んでくれる。車の稼働率が上がれば、電池は耐久性がより重視されるようになる。

 そのときに予想されるのは、米グーグルの(共通OS=基本ソフト=である)アンドロイドのような世界になってくることだ。特に、米アップルのEVは要注意。アップルが開発している電池には、「リン酸鉄系」の正極材料が用いられているとされている。エネルギー密度はそれほど高くないものの、耐久性が抜群。つまり、無人自動運転の世界で必要とされるものを開発しているし、それに目をつけている時点でやはりアップルは要警戒だ。

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この記事はシリーズ「仕掛けるテスラ、動くアップル EV電池戦争」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。