この記事は日経ビジネス電子版に『ヤフー、副業人材100人採用の真意 オフィス前提の雇用は終わり』(1月6日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』1月11日号に掲載するものです。

コロナ禍は未曽有の分断を生んだ。社員間しかり、顧客との関係しかりだ。ニューノーマル(新常態)ではマネジメントの新たな姿も模索しなければならない。コロナ禍という危機を変革の好機に変える企業の挑戦が始まっている。

 ヤフーは2020年10月、副業人材104人を受け入れる「ギグパートナー」制度の運用を始めた。7月に募集したこの制度に応募したのは4500人超。この中から104人を選抜し、事業プランアドバイザー、戦略アドバイザー、テクノロジースペシャリストの3領域で外部人材が既に働いている。

副業人材の取り込みに動き出したヤフー
●ヤフーの外部人材活用プロジェクト「ギグパートナー」の概要
(写真=左:村田 和聡、右:的野 弘路)

 採用された人材は多種多様だ。「20年3月から副業を認める制度ができたため応募した」と語るのはカシオ計算機でイメージング事業開発を手掛ける石田伸二郎氏。数多くのモバイル関連サービスを手掛けてきた経験を生かして高速通信規格「5G」のサービスをヤフーで作れればと意気込む。

 上場企業の経営陣もヤフーで働く。20年12月に東証マザーズに上場したばかりのKaizen Platform(カイゼンプラットフォーム)取締役CTO(最高技術責任者)の渡部拓也氏だ。ヤフーが企業向けに提供する分析サービスに対し、テクノロジースペシャリストとして定期的にアドバイスをしている。「ヤフーは広告を除けば企業向けのサービスは少ない。知見を基にしたアドバイスがとても役に立っている」とヤフーでデータソリューション事業本部長を務める谷口博基氏は語る。

 日本企業の間でも副業を認めたり、フリーランスなど外部人材を活用したりする動きは活発になっているが、ここまで大規模に受け入れるケースは異例だ。なぜ決断したのか。

 ヤフーの親会社であるZホールディングスは21年3月、LINEとの経営統合を控えている。米グーグルや米アップルなど「GAFA」とも対峙していくために決めた経営統合だが、「国内企業としては誰も手本にできない未知の領域に踏み込む。非連続成長を目指すなら積極的に異なる経験、異なるスキルを取り込まなければ」とヤフーの藤門千明取締役常務執行役員CTOは危機感をあらわにする。

 そこに重なったのが新型コロナウイルスの感染拡大だ。「もう働き方は以前には戻らない。デザインし直さなければ」。ヤフー執行役員でピープル・デベロップメント統括本部長CCO(最高コンディショニング責任者)を務める湯川高康氏はギグパートナー制度に踏み切った背景をこう語る。

続きを読む 2/3 オフィス前提の雇用は終わり

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