この記事は日経ビジネス電子版に『ずるい?心強い? コロナ禍で自動車産業が早くも大復活した理由』(12月17日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月28日・2021年1月4日合併号に掲載するものです。

日本経済に深刻な影響を与えたコロナ禍だが、すべての産業が打撃を受けたわけではない。とりわけ自動車業界には早くもV字回復ムードが漂い、21年も好調は持続しそうだ。
新型コロナが急速に拡大し、世界中で工場が止まった20年4〜6月期、トヨタ自動車の世界のグループ総販売台数は184万台と前年同期に比べ3割以上減った。何とか黒字を確保したものの、販売面での影響だけで8000億円以上の利益が目減り。急きょ金融機関から1兆2500億円を調達し、サプライヤーも含めた「トヨタ王国」の万が一の崩落に備えたほどだった。
ところが世界販売台数は8月に前年の9割まで戻り、9月以降はトヨタ車で前年超え。2大市場の米国、中国での販売がけん引する形で、「10~12月期に前年同期比95%の水準」とみていた予想を大幅に上回るペースで回復した。

20年10月のトヨタ車の世界販売台数は前年同月比8.3%増の84万7713台。子会社のダイハツ工業、日野自動車も含めると92万7623台となり、いずれも過去最高の販売実績だ。足元は「ディーラーに車が足りなくて困っている」(関係者)という状況で、世界中の工場は大忙し。「市場が想定を超えるペースで持ち直している」とトヨタ中堅幹部は目を丸くする。
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