この記事は日経ビジネス電子版に『「密」と呼ばれて300日…屋形船業者が見た悪夢とかすかな光』(12月14日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月28日・2021年1月4日合併号に掲載するものです。
コロナ禍で30兆円近くGDPが失われ、20兆円規模で個人消費が減った2020年。まさに「悪夢の1年」、多くの企業経営者が経験したことのない危機的状況に陥った。21年、この流れは変わるのか。それとも、さらなる窮地が待つのか。
2019年12月31日。いつもと変わらぬ大みそかの日本にその外電が伝わった時、事態の深刻さを見抜けた人はいったい何人いただろう。「中国で原因不明の肺炎患者相次ぐ 武漢で27人発症、政府が調査」の一報だ。
●2019年、20年の四半期GDPの比較


むしろ、新年を前に企業幹部の頭を占めていたのは「日本経済が五輪後どうなるか」だったに違いない。東日本大震災で深い傷を負った日本が小康状態を保てたのは、「五輪」というカンフル剤への期待があったからだ。五輪が終わる20年、日本経済は大きな節目を迎える──。だが蓋を開けると、20年は節目どころではなくなった。
年明けからの新型コロナの感染拡大と大混乱は、多くの人々が体験した通りだ。緊急事態宣言に伴う外出自粛などを受けて消費は低迷、企業業績は急激に悪化した。五輪もあえなく延期。観光・飲食業では倒産が相次ぎ、地方経済は瓦解寸前に追い込まれつつある。
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