この記事は日経ビジネス電子版に『「嫁」や「ゴキブリ」でSNS炎上、なぜ地雷を踏んでしまうのか』(12月10日)として配信した記事を再編集して雑誌『日経ビジネス』12月21日号に掲載するものです。

コロナ禍で社会全体が過敏となり、ささいな言動が即、ネットで炎上する。やり玉に挙がっただけで謝罪していては、企業活動の範囲が狭まってしまう。批判の正当性を見極め、時には受け流す勇気も必要だ。

謝罪カレンダ
<span class="fontSizeM">謝罪カレンダ</span>
(写真=1~3月:朝日新聞社)
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(写真=4月:時事、5月:代表撮影/ロイター/アフロ、6月:毎日新聞社/アフロ)
(写真=4月:時事、5月:代表撮影/ロイター/アフロ、6月:毎日新聞社/アフロ)
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(写真=7月・9月:毎日新聞社/アフロ、8月:朝日新聞社)
(写真=7月・9月:毎日新聞社/アフロ、8月:朝日新聞社)
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(写真=10月:AP/アフロ、11月:朝日新聞社、12月:REX/アフロ)
(写真=10月:AP/アフロ、11月:朝日新聞社、12月:REX/アフロ)
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 新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むために、政府が東京、大阪、福岡など7都府県に緊急事態宣言を発令した4月7日、人気歌手のスガシカオさんによるツイートがインターネットで炎上した。次のツイートのどこが問題とされたか、お分かりになるだろうか。

 「今一番大切なことは、みんなが一人一人どうすべきかを考えて、一致団結してこの危機を乗り越えることだと思うんだ」

 「批判や怒りや疑いじゃなくてさ、不要な外出を控える、自分や家族を守る、他人を思いやる、医療を守る…それしか新型コロナに勝つ方法はない」

 ごく常識的と思えるこの投稿に対して、「自粛したくてもできない人もいる」「自己責任論の言い換えだ」などの否定的なコメントが寄せられた。スガシカオさんは、予想だにしていなかったに違いない。高まる批判を受けてツイートを削除し、謝罪を余儀なくされた。

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