家電量販店に足を踏み入れ、コロナ禍での「巣ごもり需要」が期待されるテレビ売り場をのぞいてみた。ソニーやパナソニックなど国内大手ブランドの4Kテレビが並ぶ中、日立製作所のテレビはどこにも見当たらない。

 それもそのはず。日立は2018年10月に「Wooo(ウー)」ブランドのテレビの国内販売を終了したからだ。かつては日立製のテレビに割り当てられていた販売スペースを代わりに埋めているのは韓国や中国のメーカーのテレビ。日立グループの系列販売店である日立チェーンストールが現在取り扱うのは、ソニーブランドのテレビだ。

火力発電用のガスタービンの事業は三菱重工業に譲渡し、薄型テレビの生産・販売からも撤退した(写真=上:毎日新聞社/アフロ、下:ロイター/アフロ)

 同じテレビ売り場には、東芝ブランドのテレビ「レグザ」が数多く並んでいる。ただ、手掛けるのは東芝ではなく東芝映像ソリューション(川崎市)。中国電機大手の海信集団(ハイセンス)が18年に東芝から買収して子会社にした。現在の東芝の出資比率はわずか5%にとどまる。

残る消費者向け製品はわずか

 テレビだけではない。家電量販店で日立や東芝が手掛ける商品を見る機会はどんどん減っている。

 かつて東芝製品の代表格だったパソコンもその一つだ。東芝は1985年に世界初のラップトップ型パソコンを送り出し、89年には「パソコンの父」とも呼ばれるアラン・ケイ氏が提唱した「ダイナブック」をブランド名に冠したノートパソコンを発売したことで知られる。90年代後半はノートパソコンで世界シェア首位を誇ったが、2018年10月に同事業の株式の8割をシャープに売却、今年8月には残りの株式も手放した。現在はシャープの完全子会社、Dynabook(ダイナブック、東京・江東)として運営されている。

「ダイナブック」ブランドのパソコン事業はシャープ傘下となり、フラッシュメモリー事業は米投資ファンド中心の企業連合に売却した(写真=上・下左:ロイター/アフロ)
続きを読む 2/2 日本の産業史を象徴

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この記事はシリーズ「日立と東芝 どん底を見た総合電機の行方」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。