従業員に顧客、取引先。企業が大切にすべき人々がGAFAから離反し始めた。ESG投資が本格化し、成長を支えた機関投資家の目も厳しくなる。さらなる成長には、すべての利害関係者が利を得る経営が不可欠だ。

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グーグルの英国拠点前では母親たちが集まって環境保護を訴えた(写真=ロイター/アフロ)

 米大統領選挙の投開票日から一夜明けた11月4日。米国株式市場ではハイテク株に買いが集まった。グーグル親会社のアルファベットは一時前日比8%高をつけて上場来高値を更新。フェイスブックも一時9%高となった。

 大統領選の行方が混迷する中で株価を押し上げたのは、同時に実施した連邦議会選挙で「上院は共和党が優勢」と伝わったためだ。大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストは「規制強化のストッパーとしての役割をマーケットは好感した」とみる。

 現在、民主党が過半数を押さえている下院司法委員会では10月に、GAFAの事業分割を視野に入れた規制強化を求める報告書が提出されている。仮に上院も民主党が押さえると規制強化が本格的に進むとの警戒感があった。

 時の政権や議会の勢力図などに翻弄されているように見えるGAFAだが、彼らにとって本当に恐ろしいのは政府や規制当局ではない。企業である以上、顧客が製品やサービスを使い、従業員が働き、取引先がビジネスを支えてくれなければ、事業を続けていくことは難しくなる。だが、巨大化し、影響力が増すにつれ、各社の成長を支えてきた消費者や従業員、取引先が反旗を翻す事例が目立ってきた。

授乳でグーグルに抗議

 「環境を破壊して私たち親や家族、子どもたちの生活を踏みにじっている」

 2019年10月、ロンドンにあるグーグル拠点の前で約150人の母親たちが集まり、授乳をすることで抗議の意思を示した。グーグルが、表向きには環境保護への取り組みをうたっているにもかかわらず、実際には米ワシントンの気候変動を否定する団体に相当額の寄付をしていたことを英誌が伝えたことがきっかけだ。

 ここ数年、GAFAでは従業員による経営陣への抗議も活発化している。その結果、経営陣が何らかの社会的責務を果たさざるを得ない状況に追い込まれる場面が増えてきた。