コロナ禍で人々のデジタル依存が高まり、巨大IT企業が「焼け太り」している。莫大な資金を次のイノベーションに投じ、多方面に市場シェアを伸ばしていく。従来型の規制では対応できない部分も多く、勢いは簡単に止まりそうにない。

(写真=左からAnadolu Agency/Getty Images、AFP/アフロ、AP/アフロ)
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 米映画産業の中心地、ハリウッドで異変が起こっている。新型コロナウイルスの感染拡大により、映画の興行収入は激減している。ハリウッドでは、制作費用が高い作品を中心に、多くのプロジェクトが頓挫する事態となっている。ここで働いていたVR(仮想現実)やAR(拡張現実)のアーティストたちの仕事は大きく減ってしまった。彼らが向かっているのがシリコンバレーだ。

 彼らはハリウッド映画で、コンピューターグラフィックスを駆使したデジタル効果技術を主に手掛けてきた。こうした技術が、テック大手が開発を進めるAR・VRのアプリケーションやハードウエアの開発に生かされているというのだ。より五感を駆使したリアルな仮想現実空間を構築する技術ができれば、消費者に新しい体験やサービスを提供することができる。

 米コンサルティング会社アクセンチュアの試算によれば、米IT企業はARとVR技術に約210億ドルを投資する見込みだが、この数字は3年後の2023年には現在の6倍弱となる1210億ドルにまで膨らむ可能性があるという。

強まるGAFAへの批判

 米司法省は10月20日、検索事業に関して反トラスト法に違反しているとして米グーグルを提訴した。一国の経済力に並ぶ資本と影響力を持つGAFA(米グーグル、米アップル、米フェイスブック、米アマゾン・ドット・コム)に対し、国や規制当局の風当たりは年々強まっている。自国企業保護の観点から規制に慎重だった米国も、公正な競争が阻害されているとして方針を変え始めた。司法省、連邦取引委員会(FTC)、連邦議会下院司法委員会など、複数の組織が19年以降、同時に調査を進めてきた。

 7月29日にオンラインで開催された、下院司法委員会による公聴会では、出席したGAFAのトップたちが議員たちからの激しい攻撃や批判にさらされることとなった。

(写真=提供:U.S. House Judiciary Committee/ロイター/アフロ)
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 グーグルは検索サービスで圧倒的なシェアを武器に競合を排除していること、アップルはアプリ配信サービス上で競合アプリが不公平な扱いを受けていることを攻撃され、フェイスブックには過去の企業買収が競合つぶしの目的で実施されたのではとの指摘がなされた。アマゾンは、ネット通販サービスに出品する外部事業者の販売データを不正利用していたことが問題視されている。

 さらに今年8月には世界で人気のゲーム「フォートナイト」を開発した米エピックゲームズが、アップルとグーグルを相手取り、両社の「アップストア」「グーグルプレイ」が独占的だとして訴訟を起こした。

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