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集合型の研修

 「例年、当たり前のように新人が体験するのに、今年の新入社員が体験していないもの」の筆頭が集合型の研修だ。

 HR総研が7月に公開した調査では「大企業(従業員1001人以上)の59%が、期間短縮や延期、中止など新入社員研修の予定を変更した」とあるが、“6割程度にとどまる”のは調査期間が3月下旬のためだろう。「確かに4月の緊急事態宣言前までは『新人研修だけは対面で実施したい』という企業が結構あった。だがその後は、集合形式でなくオンライン形式などへ移行する企業が急増した」と人材育成支援を手掛けるリブリッジ(東京・千代田)の石松明彦社長は話す。

 新生銀行もその一つだ。毎年、入社式の後にグループ4社が集まり新人の合同合宿をするのが慣例だったが今年は中止に。約3週間で予定していたビジネスマナーなどの対面講習も取りやめとなり、新入社員124人への第1段階の教育は一貫してオンラインで実施することとなった。

戸惑いの「オンライン名刺交換」

 「オンラインで業務スキルが身に付くのか不安だった」と、現在は新生銀行営業第二部で働く新人、藪隆平さんは振り返る。例えば自宅でのオンラインマナー講習で名刺交換を練習した際のこと。相手がその場にいると想定し名刺を差し出すが、「渡す位置が高い」との指摘を受けた。だが、そう見えるのはパソコンに付いているカメラの角度の問題のような気もしてしっくりいかない。「最初は手探りだらけ。細かい所作まで対面で確認できることのありがたさを痛感した」と話す。