2年連続の賃上げ、2万円を付けた日経平均株価、急増する訪日外国人──。アベノミクス下で進んだ円安の効果が出始めている。だが、産業界を見回すと、為替安でも苦戦している企業は少なくない。アベノミクスのシナリオは、輸出産業の復活とトリクルダウン効果で、円安の弊害を相殺して余りある景気回復を実現することだ。「円安で利益が増えない輸出企業」や「恩恵が及ばない内需企業」が増えれば、その前提は根底から瓦解しかねない。なぜ典型的な加工貿易国なのに、円安で苦境に見舞われるのか。円安でも儲からない企業それぞれの、事情と誤算を取材した。(イラスト=秋田 カズシゲ)
(清水 崇史、小笠原 啓、須永 太一朗、林 英樹)
CONTENTS
序章
アベノミクスが微笑まなかった人々
「話が違うよ、安倍首相」
PART1
絶対儲かるはずなのに…
円安が効かない4つのパターン
-
苦境パターン1
輸出したくても「客」がいない -
苦境パターン2
輸出したくても「競争力」がない -
苦境パターン3
原料高を価格転嫁できない -
苦境パターン4
事業構造が既に円高モード -
「円滑化法」効果が薄れれば更なる悪化も
今後も多発する恐れの「円安倒産」 -
好調ツガミが下方修正した事情
為替フリーでも意外な“円安被害”
PART2
1ドル60~300円でも生き残る
為替変動に打ち勝つただ一つの方法
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