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資本主義と共存できるか

 民主主義と資本主義はコインの裏表だ。自由競争の中で寡占やルールの不備があれば、民意を反映しながらその枠組みを見直していく。それが西側諸国を中心とした世界経済の基盤となってきた。英国の経済学者でロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)のデヴィッド・ソスキス教授は、資本主義と民主主義の共存を支える要素の一つに、中産階級の人口の多さを挙げる。第2次世界大戦後に米国が築き上げた資本主義社会は労働者階級から多くの中産階級を生み出した。1990年代のソ連の崩壊は、民主主義下で恩恵を享受した多くの中間層に勝利を確信させた。

 一方、経済のグローバル化や規制緩和は中産階級の中での格差を生み始めた。SNSの登場で個人がそれぞれの不満や主張を公にできる時代が到来し、格差による分断は深まりつつある。

 不満を抱く層をうまく取り込み、聞こえの良い言葉を並べるポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭。自国優先を唱えるリーダーの乱立は、「ミニ・トランプ」とも呼ばれる強権的なリーダーの増長を招いている。