国家の根幹、それは食にある。今、日本の食を取り巻く環境には加速度的な変化が訪れている。隣国では質と量を伴った「爆食」がその勢いを増し、異常気象に見舞われた生産地からは悲鳴が上がる。この危機が、海外からの穀物輸入に依存し、自給率が低迷しながらも、不作為を繰り返してきた日本という国家の根幹を揺るがそうとしている。企業が着手し始めた調達体制の見直し、国内農業の抜本改革──。世界に開かれた変革を躊躇すれば、この国は生き残れない。(写真:Bloomberg/Getty Images、デザイン:山﨑 由梨)

(北爪 匡)

注:カロリーベース、2011年度。畜産物は、名目上64%だが、輸入飼料による生産分を含むため、実質16%<br />出所:農林水産省
注:カロリーベース、2011年度。畜産物は、名目上64%だが、輸入飼料による生産分を含むため、実質16%
出所:農林水産省

CONTENTS

日本3年分の大豆を買う男

爆食中国の現場を行く
豚肉が富を生む

「中国の即席めん王」魏 応州[ウェイインチョウ](康師傅[カンシーフー]控股会長)に聞く
日本企業は「他力」に頼れ

危機は爆食だけでない

「ABCD包囲網」を越えて
丸紅、和製メジャーに挑戦

サバンナに大豆の萌芽
食糧安保への一歩

日経ビジネス2012年8月27日号 26~27ページより目次