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「自分ごと」の経営が危機に強い
関家一馬氏[ディスコ社長兼CEO(最高経営責任者)]

(写真=竹井 俊晴)

 逆風のときに大事なのが、社員それぞれが(日常の企業活動を)自分のこととして考えるかどうかだ。

 ディスコの場合、業績が悪化すれば多くの場合(独自の社内通貨)「Will(ウィル)」の個人収支が悪くなる。それは賞与などにも連動するようになっているため、企業としての業績を常に意識することになる。「市場環境の良かったときと同じように経費を使っていたら会社も自分も大変なことになる」と思うはずだ。経費の管理指針は、個人の意識が、会社の業務すべてを「自分ごと」と捉えるようになるという前提の上にある。

 ディスコでは業務を自由化している。経理部以外の部署の社員がいい経理システムを開発し、それが使われれば、開発をした社員には、システム使用料としてウィルが継続的に入る。経理部はそれでは仕事を失うので、常によりいいシステム、仕組みを考えていないといけない。そうすれば業務は進化し続ける。市場で皆が競い合っているのと同じ仕組みを持ち込んでいるだけで、失敗してもいい。

 当社では数年前から、社内で使う様々な機械を若手の技術者に作らせている。若手の調理人が従業員の食事を作って修業するまかない飯と同じ発想で「まかない装置」開発と言っている。世の中では最近、「ミスがないように」「失敗がないように」ということばかりを気にする傾向が強いように思うが、それでは人は育てられないのではないだろうか。

 いったん去ってもまた必ず来る危機に対処するためにも、失敗を恐れず挑戦できるようにすることが大事だと思っている。(談)