休止設備の再稼働という手間

 原材料の調達で白羽の矢が立ったのが化学メーカーのデンカだった。国内で唯一、マロン酸ジエチルを生産していた企業だ。問題は、海外勢との価格競争が激化して17年4月に生産を休止してしまっていたことだ。

 富士フイルムと経済産業省はデンカに生産再開を要請。デンカは国内回帰の補助金を活用して設備を改修することを決断した。アビガン用のマロン酸ジエチルの生産を5月に開始し、6月に出荷を始めた。

 富士フイルム富山化学が抱えたもう一つの課題は、生産能力の確保だ。21年3月までに200万人分の備蓄を達成し、海外からの需要にも応えるためには、製造準備にかかる期間を考慮すると20年秋以降に月産30万人分程度の生産量が必要になる。自社設備だけではとても賄えない。

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