5月、横浜・みなとみらいにある日産自動車本社。日が昇ったばかりの早朝、役員フロアの執務室で、2019年12月に就任した内田誠社長兼CEO(最高経営責任者)は中空を見据えていた。
「失敗」。やはりその言葉を使わなければいけない──。事業規模の拡大に走った過去の経営への総括。それは巨額赤字だけを意味するわけではない。
19年度、日産は6712億円の連結最終赤字に転落した。リーマン・ショック後にも赤字の年はあったが、6000億円を超える規模は20年ぶりだ。世界の生産能力720万台に対し、19年度の販売実績は493万台。「身の丈」に合わせるため、事業用資産の減損損失を5000億円以上計上した。
スペインやインドネシアの工場閉鎖を決め、生産能力は2割減らす。もちろん人員の削減も避けられない。一方で、今後18カ月で12の新型車を投入することも表明。仏ルノー、三菱自動車と組むアライアンスの役割も明確化し、今後は販売基盤を持つ米国、中国、日本に集中する。
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