経営不振の日産自動車が赤字体質の見直しに追われている。内田誠社長兼CEO(最高経営責任者)は拡大路線との決別を宣言。スペイン工場の閉鎖などで世界の生産能力の2割を削減し、2020年3月期には約6700億円の最終赤字を計上した。今後1年半で12の新車を出すなどして巻き返しを図るが、コロナ・ショックにより自動車市場は収縮し前途には暗雲が漂う。この難局を乗り越えられるのか。そして、どこに向かうのか。(写真=Tomohiro Ohsumi/Getty Images)

(大西 綾、北西 厚一、菊池 貴之、橋本 真実)

CONTENTS

PROLOGUE
日産・内田新体制の使命 「失敗」認め、どん底から再出発

PART1
日産はどこで道を誤ったか 無謀な戦線拡大、販売は「老兵」頼みに

PART2
まだ残る「技術の日産」生かすも殺すも経営次第

PART3
日産・ルノー・三菱自 アライアンス再始動 危機下の結束は本物か

EPILOGUE
「エリート集団」日産 謙虚さと共に失いかけた原点

編集長インタビュー
日産・内田社長インタビュー「革命なくして信頼戻らず」

日経ビジネス2020年6月29日号 24~25ページより目次