人を集めるほど価値が増すのが不動産。コロナ禍は「人の集中」をリスクと化した。不要論がせめぎ合うオフィスは景気後退も相まって、需要減が避けられない。今後は確実に格差が生じる。不動産の選別時代が一足飛びに訪れようとしている。
JR新横浜駅から徒歩10分弱のオフィスビルの4階に、無機質な外観からは想像できないような開放的な空間が広がっていた。
部屋の中央に木製の大型ベンチ、周囲にはガラス張りの会議室、バーカウンターやゆったりとしたソファ。大型テレビも置かれている。自由闊達な職場文化を好む、米シリコンバレーのIT企業が作りそうな空間だ。
ところが“からくり”がある。シリコンバレー風インテリアを採用しているのはフロア全体の3分の1。残りのフロアは机や椅子を対向させて並べる昔ながらの島型レイアウトのままなのだ。

オフィスは人寄せの装置
このオフィスは携帯電話会社の通信設備の施工管理や保守業務を手掛けるアイルミッション(横浜市)の本社。辻高志社長は「優秀な人材を集めるには“お化粧”したオフィスも必要」という。
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この記事はシリーズ「限界不動産 新常態で暴かれる格差」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
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