
加賀藩をはじめ、有力藩主の江戸屋敷の跡地にある東京大学・本郷キャンパス。東京ドーム10個分の広さの敷地には大学の象徴である安田講堂がそびえ、ゴシック様式の重厚な建造物が立ち並ぶ。
その学び舎からは官民に数多の有為な人材が巣立った。鎖国から開国へと転じた日本を世界の一等国に引き上げ、戦後の灰じんから世界2位の経済大国に押し上げた原動力として、東大卒の人材が多大な貢献をしたことを否定する者はいないだろう。
ただ、最近では日本の地位低下に歩調を合わせるかのように、大学ランキングでの順位低迷が話題になるなど、輝きを失っていたようにも映る。
その東大が今、大きく変わろうとしている。国内外の大企業と次々と産学連携を決め、大学発の技術を社会に還元するベンチャー支援など、新たな動きに出ている。民間企業さながらのスピードで、「知」を社会実装させようとする精神は、かつて「象牙の塔」とも揶揄(やゆ)された大学のイメージとはかけ離れたものだ。
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