「企業の力」がもたらす希望

 そんな明日への高揚感を一段と高めたのが、50年代後半から企業が次々と発表した“夢の家電製品”だった。

 まず「三種の神器」(白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫)が発売され、60年代中盤には、カラーテレビ・クーラー ・自動車の「3C」が「新・三種の神器」として登場。60年代後半には、電子レンジ、別荘、セントラルヒーティングが「新3C」として加わった。

 時は、池田勇人内閣の所得倍増計画真っただ中。60年に約1万8000円だった月給が67年には約3万6000円に、文字通り倍増した時代だ。ただ、当時は白黒テレビと冷蔵庫が5万~7万円台、洗濯機が2万5000円前後と、価格はまだ高かった。

 所得が多少増えたところで、憧れの高根の花であることには変わらず、みんながみんな買えるわけではない。それでも、夢の家電に囲まれた暮らしを思い描くこと自体が、多くの人の希望になった。

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この記事はシリーズ「所得崩壊 年収2割減も現実に」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。