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コロナ・エフェクトは今や社会のインフラとなったコンビニエンスストアをも変え始めた。過去に類のない逆境を乗り越えるには、まず目の前の顧客と向き合うこと。そして、自らの店舗の使命を改めて見つめ直すことが必要だ。

セブンイレブン芝浦4丁目店では、他の来店客と距離を取れるように床に足型が示され(上)、レジにはビニールカーテンがつるされていた(下)(写真=的野 弘路)

 3月下旬、セブン-イレブン・ジャパンの直営店舗である「セブンイレブン芝浦4丁目店」(東京・港)のレジ台に、透明のビニールカーテンがつるされた。この店の鈴木翔子店長は、来店客と従業員を隔てるビニールカーテンを見て「お客様に失礼なのではないか」と不安にかられた。

 今ではスーパーやコンビニなどでよく見られるようになった、飛沫を防止するための措置だが、3月下旬の時点ではまだ珍しく、来店客からどんな反応が来るか分からなかったからだ。だが、来店客の声は「安心できる」というものがほとんど。従業員もすぐに慣れ、鈴木氏の心配は杞憂に終わった。

 直営店で使い勝手や反応を試したセブン-イレブン・ジャパンは、まず4月7日に発表された緊急事態宣言で対象地域となった7都府県の約9500店に先行して資材を送付。フランチャイズ加盟店が自社で調達した場合は、金額の上限はあるものの、本部が実費を負担して普及を急いだ。4月下旬の時点で、7都府県ではほぼ全店にビニールカーテンが設置された。

ビニールカーテンは加盟店発

 直営店で試した後にフランチャイズ加盟店に広げた形だが、実は、最初にレジにビニールカーテンをつるし始めたのは東京都内のある加盟店だった。

 「感染防止にこんな手法があります」

 セブンイレブンの幹部が毎朝20分ほど開く対策会議に、その加盟店を担当する社員からの情報が上がってきた。「最初は若干の抵抗があった」。店舗運営を担当する野田静真オペレーション本部長は、初めてビニールカーテンのアイデアを聞いた時の印象をこう振り返る。しかし、感染拡大の防止に役立ち、来店客と従業員が少しでも安心できるのであればと、直営店で試すことを決めた。

 野田氏は「感染予防策は、前例のあるなしにかかわらず、効果がありそうなものはどんどんやっていく」と話す。加盟店が独自に始めた取り組みについても、良いものであれば積極的に取り入れる方針だ。

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むためには、当然と言える。ただ、これまでのセブンイレブンを知る人は少し意外な印象を持つかもしれない。