新型コロナウイルスは、人々が集う「お店」を持つ事業者に難しい命題を突きつけた。自社の店は開けるべきか、閉めるべきか。どうすれば開け続けられるのか。不測の事態に直面した経営者や現場は、どのように答えを出そうとしているのか。

<span class="fontBold">政府の緊急事態宣言を受け、全館休業となった東京・日本橋の日本橋三越本店。百貨店は一部営業と休業とで対応が分かれた</span>(写真=的野 弘路)
政府の緊急事態宣言を受け、全館休業となった東京・日本橋の日本橋三越本店。百貨店は一部営業と休業とで対応が分かれた(写真=的野 弘路)

 中国での新型コロナウイルスの感染拡大が伝えられる一方、日本国内での感染者数はまだ10人に満たず、「対岸の火事」の雰囲気が漂っていた1月下旬。西友は社内にリオネル・デスクリーCEO(最高経営責任者)ら経営幹部がメンバーとなる「クライシス・マネジメント・チーム(CMT)」を立ち上げた。新型コロナの感染拡大が及ぼす影響に備えるための組織である。

 世界中に感染が広がり、日本でも緊急事態宣言が発令されている現在から振り返れば、西友の判断は当たり前のように思える。だが、日本では普段と変わらない生活が続いていた3カ月前の時点で、デスクリー氏は現在のような厳しい事態があり得るとみていた。

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この記事はシリーズ「「お店」がつぶれる コロナ・エフェクトで悲鳴」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。