特許が後発特許に引用された頻度から実力をランキング
このランキングは、利用価値の高い特許を企業がどの程度持っているのかを、ドイツの知的財産情報会社パテントサイトが指数化したものだ。過去10年に出願された特許が、2019年末までの2年間に出願された特許に引用された頻度を基に算出している(イノベーションに資する特許に絞っており、条件は上の注を参照)。
特許は出願数ランキングが一般的だが、その後に使われないものも多く、数は価値と等しいと言い切れない。Part2で紹介した富士フイルムホールディングスはフィルム技術の特許を、欧米化粧品大手が多く引用していたことが化粧品事業に参入する根拠になった。直近の引用に着目することでイノベーションを起こす可能性が現時点で高い企業のランキングとみることができる。
世界首位は韓国のサムスン(出願者名で表記)。スマ―トフォンや半導体だけでなく、健康分野で高評価の特許が目立つ。
日米企業を後追いしてきた印象が強いサムスンだが、アップルとの係争を通じて知財部門を強化し、他社が引用する価値の高い特許を多く保有している。日本企業ではソニーが10位に食い込んだ。センシングといった期待される領域で高い技術を持つ。
ここで示したグローバルランキングは20位までだが、30位までに日本企業は計7社入っている。知財部門の陣容は充実しており、世界のライバルと戦うためには、他社から注目されるもの、言い換えると量から質への転換が欠かせなくなっている。
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