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革新を起こすと期待されたオープンイノベーション。だが目に見えた成果が上がっていないとの声が多い。世界の先進企業の間では、「革新の種は社内にまき、育てる」戦略が目立ち始めた。

独シーメンスのジョー・ケーザーCEOは知財部門を戦略組織と位置付け、工場のデジタル化などのイノベーションを推進する(写真=左:AP/アフロ、右:AFP/アフロ)

 「社内にない知見を取り込むことで、新しい価値を生み出す──そう言えば聞こえはいいが、やってみると簡単なことではない」。ITベンチャーとのオープンイノベーションを手掛ける大手製造業の担当者は、こう打ち明ける。

 イノベーション不足と言われて久しい日本の産業界。現状を打破しようと、大手企業を中心にここ数年横並びで進むのが、「オープンイノベーション」の加速だ。カリフォルニア大学バークレー校客員教授のヘンリー・チェスブロウが2003年に提唱した概念。「企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造すること」だ。

 日本でも10年代に入り、電機や自動車、機械などの製造業にとどまらず、金融機関や商社、鉄道会社などが外部と連携する拠点を開設。その多くは都市部にあり、イノベーション創出の総本山、米シリコンバレーを彷彿(ほうふつ)とさせる空間が広がる。大企業がパートナー企業に直接出資するコーポレートベンチャーキャピタルの数は250社を超えるなど、大企業がスタートアップと組むケースも目立つ。

日経ビジネス2020年4月6日号 26~27ページより