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「本当にしたいこと」を考え転職

Case❶ ビットキー
NECからスタートアップに転身した門川真也氏は「ゼロからの挑戦にやりがいがある」と目を輝かせる

 スタートアップのビットキー(東京・中央)でサプライチェーン戦略責任者を務める門川真也氏(40)は19年4月、長年の懸案を実行に移した。前職のNECでは入社以来17年間、モバイル事業部一筋。待遇は悪くなかった。30歳で主任、35歳で課長へと順調に階段を上った。ただ、変化が激しい業界なのに保守的な社風。「このままだらだらと過ごしていると自分はダメになる」との思いが募り、新天地を求めた。

 30歳の時に一度、別のメーカーへの転職を試みたが「面談で大手はどこも同じだと感じて途中でやめた」。それから9年後、年収減を承知でスタートアップの門をたたいたのは、本当にしたいことは何かと考えたからだという。「ゼロからの開拓でスタンダードとなるものを世に出していきたい」。40歳を区切りに、新たな挑戦にかじを切った。

 スマホを鍵として使う「スマートロック」と呼ばれるシステムを開発するビットキーの社員平均年齢は30歳。前職で若手の位置づけだった門川氏は突如、「シニア」とみられるようになった。創業後2年で50億円を調達し、社員数が前年比5倍と急拡大する同社の江尻祐樹CEO(最高経営責任者)は「経験を生かしてメンバーをつなぐ『ハブ』の役割を果たしてほしい」と期待する。