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40代や50代ともなると、「もう新たな挑戦をするほど若くない」と考えがちだ。ただ、人生100年時代を前提とすれば、まだ折り返し地点にすぎない。これまでの経験を生かし、さらなる挑戦を。2人のレジェンドのメッセージだ。

(写真=吉田 サトル)
スキージャンプ 五輪銀メダリスト
土屋ホームスキー部 選手兼監督

葛西 紀明氏(47)
1972年北海道下川町生まれ。若くして頭角を現し、92年大会から8回連続五輪出場。2014年ソチ五輪で個人銀、団体銅。所属チームでは監督も兼務。

葛西氏への取材記事はこちら

挫折を乗り越えて成長 調子の波には抗わず

 今年6月で48歳。僕もミドル真っ盛りです。土屋ホームのスキーチーム監督も兼ねていますが現役バリバリ。今はワールドカップの遠征メンバーから外れていますが、これもよくある波の1つ。次の上昇期は来るはずです。

 世界の舞台に出たのが1988年ですからもう32年になります。浮き沈みの激しいジャンプ人生で、挫折を重ねることで生き残ってきました。

 最初の挫折は92年、飛び方のトレンドがV字に変わった時です。スキー板が見えないことにとてつもない恐怖を感じ、初めて出た五輪(アルベールビル)は全然だめでした。その後、スキー板より前に顔が出る飛型を取り入れ「カミカゼ」と呼ばれました。でも、怖さは克服していませんでした。

 V字に慣れた頃、次の試練がありました。94年の合宿で飛んだ直後に空中分解し、落ちて鎖骨を折りました。2カ月後にも転倒して再度骨折。恐怖心はその後、10年間引きずりました。