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未来の車はどこで稼ぐのか?

半導体
安全と快適、性能を決めるキーデバイス
(写真=PIXTA)

 新通信規格「5G」でクルマが社会とつながり、電動化や自動運転の要素が加わる中では、映像や画像などの膨大なデータをいかに高速処理できるかがクルマの性能そのものとなる。その中核となるのが、パソコンやスマートフォンにおけるプロセッサーの役割を果たすSoC(システム・オン・チップ)だ。

 投資コストは跳ね上がるが刈り取るメリットも大きいため、多くの企業が触手を伸ばしている。アーサー・ディ・リトル・ジャパンの鈴木裕人パートナーは「SoCまわりは今後、水平分業する部分と垂直統合する部分に分かれていく」と指摘する。

 まず、水平分業が進むとみられるのはインフォテインメントなど情報系の領域だ。サービスの担い手はGAFAなどIT企業に集約し、半導体はメガサプライヤーや電機メーカーが中心となって開発するとみられる。ここでの激戦区は基本ソフトで、データ活用を目指して陣取り合戦が加速する。

 一方で、自動車メーカーが力を入れる駆動系は、ハードからサービスまでを一貫して作り込む動きが広がる。この分野で先行するのはドイツ勢だ。中心にいるのは自動車部品大手のボッシュで、「独インフィニオンや米インテルのチップを組み合わせた独自のSoCを世界標準にしようと動いている」(IHSマークイットの南川明氏)という。

 これまで運転支援のハードウエアにおいては、すでに幅広い車種に取り入れられている米エヌビディアやインテルの技術が存在感を増すとみられていた。

 ただ、エヌビディアを活用していた米テスラは自社開発のSoCに切り替える方針。半導体の機能は自動車の性能を左右するため、自動車メーカーやメガサプライヤーのプラットフォーム造りも進みそうだ。

 これら情報系、駆動系のSoCと外部をつなぐのが通信半導体だ。スマホでこの分野を席巻する米クアルコムが車載向けでも優位で、中国勢では華為技術(ファーウェイ)が控えている。